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SS:黒熊




 とある領地を治める領主がいた。
土地の半分はうっそうと生い茂る森林地帯であり、残りの半分は肥沃な平野部からなる領地である。
このような資源に恵まれた土地であるにもかかわらず、領民に課される税は決して多くはなく、この地の民は他所のそれと比べると比較的裕福な暮らしを送っていた。
また、道路や用水路、診療所や教会などの建設に積極的な政治を行っており、その点においては大変住みやすい国・・・ではある。

しかし領主に対する民の評判は、恐ろしく悪い。
その理由はたった1つ。
領主の人格に問題があるという点である。
彼の性格は、『冷酷非道』の一言に尽きる。
彼は捉えた罪人を、自分好みの方法で処刑することを至上の悦びとしているのである。
その手法は様々であり、公開はしていないため民はその実態は知らないはずだが、人の口に戸は建てられないもので、「どこそこに処刑場がある」とか、「城の地下室でなんたら」などと人々の間で囁かれていた。
噂は大きくなるのが世の常であり、それを囁く民の領主への恐怖心と反抗心はかなり強い。

 しかしこの地に反乱の起こる気配は無い。
やはり領民としては住みやすい環境というのは棄て難いのである。
罪さえ犯さなければ、あの領主さえいなくなれば、という気持ちを胸に日々を過ごしていく。
もちろん領主もそんな民の気持ちをよく理解していた。
だからこそ民の心を掴むために、社会的資本の整備は徹底させているし、そのための予算を確保するために、彼は過度の贅沢は自ら戒めて、節制に努めている。
反乱の起きない数々の工夫を自分の娯楽のために凝らすのだ。
彼は『残忍』ではあっても『愚鈍』ではないのである。


 朝早く、まだ人目につきにくい時間帯に城の門が開き、数騎の騎馬隊と1台の馬車が走り出てくる。
騎馬隊の中心には領主が位置していて、周りを近衛兵の騎馬が囲んでいる。
馬車は罪人を運ぶ護送車であった。
これらの集団はまだ日も昇らない暗闇の中、領地にある大きな森への道を静かに進んでいった。


この日の領主の獲物はエルフ族の女性である。
その美しさが領主の目に留まり、身に覚えのない罪で投獄されてしまった。
その後も彼女に弁解の機会は与えられず、今日という日を迎えた。
彼女のゆるくウェーブのかかった金髪から尖った耳が突き出ていて、ピアスが光っている。
もう体つきは十分に大人っぽいのだが、大きくクリクリした目と、小さい口のせいで、どことなく子供っぽい印象を人に与える。
そんな彼女が今身に着けているのは元から着ていたものではなく、淡いブルーの優雅なドレスである。
これから処刑されるのにおかしな話だとは思うが、領主の命令だと言われて着させられている。
それが彼女の身にこれから起こる災難を、領主がより楽しむために用意された小道具だとは彼女は夢にも思わない・・・


 彼女が連れてこられた処刑場は森の奥に位置しており、近くの集落の住人にはここには近づかせないよう徹底させている、そんな場所である。
そこは森の中でぽつんと丸く開けた場所だった。
広場の中心にはたくさん蔦を巻きつけて、うっそうと葉を茂らせた巨木が立っている。
かなりの高さを誇り、葉は横にも広く広がっている。
生い茂る葉を支える幹もとても太く、大人が六人ほど手を繋いでやっと囲めるほどの太さである。
その木は遠目から見ても少しおかしい。
本来の葉の他に、明らかに種類の違う、ヒトが乗れそうなほどの大きな葉が混じっていた。

 馬車から降ろされた彼女が兵士に追い立てられて、木に近づいてゆく。
兵士たちは木から一定の距離になると、それ以上近寄ろうとはせずに、弓矢を構えて彼女をさらに追い立てる。
領主は望遠鏡を片手に、木の全体が見渡せるほど後ろに陣取って、ニヤニヤと笑っている。
彼女がそれを見て、やはりこの木になにかあるのだと気づいたその時、彼女は何かに片足を持ち上げられ、空中に投げ出されていた。

 領主や兵士たちはもちろんそれが何か知っている。
彼女を捕らえた物の正体は巨木についている『寄生植物』の触手である。
普段は地中に潜み、その上を何かが通ると一瞬のうちに獲物に巻きつき捕らえてしまう。
獲物はそのまま大きな葉まで引き上げられ、葉の上に落とされる。
葉は獲物が上に乗ると、貝のように閉じて獲物を閉じ込めてしまうのだ。
葉は厚く丈夫でこの触手で持ち上がる大きさの生き物では、ほぼ確実に脱出することは不可能である。
閉じた葉の根元には小さな拳程度の隙間が開いていて、そこからさっきとは別の、ヒトの親指ほどの太さの触手が進入してくる。
その触手の役割は3つ。
まず1つ目は、それが生き物であるかを判別すること。
次にそれが生き物だった場合、雄か雌かを判別すること。
雄ならそのまま葉から染み出す溶液によって、骨まで溶かして養分とする。
そしてもし獲物が雌だった場合は・・・


 領主や兵士たちが見守る中、彼女は跳ね上げられるように木の上目指して吹き飛んでいく。
彼女の悲鳴が上へと伸びてゆき、それを追うように彼らの顔も一様に上を向いていく。
領主はすかさず望遠鏡を構えて、彼女が囚われていると思われる閉じた葉を探すと、それはすぐに見つかった。
葉に落とされたときの体勢のせいか、閉じた葉の合わせ目から彼女の右足が飛び出している。
その足がもがくようにバタバタと暴れていたかと思うと、つま先までピンと力を入れたように突っ張り、やがて力なく垂れ下がる。
領主はあの中で起こっていることを思い浮かべて、笑みをより一層深くする。
彼の娯楽はまだ始まったばかりだった。


 彼女は葉の中でもがいていた。
一瞬のことだったので、今の自分の状態も、どうすればいいのかもまったく分からない。
「もう!なんなのよ、なんなのよぅ、なんでこんな・・・、ウッく・・、こんな目にあわなきゃいけないのよぅ!」
目に大粒の涙を浮かべながらも、懸命に手足に力を入れるがびくともしない。
視界は真っ暗だ。
この葉の厚さは日光も通さない。
「ひっっ!」
突然、頭から首筋へと何かが這って、ドレスの中に進入してきたのを感じた。
それはヌメヌメとして冷たく、彼女の頭の中を一瞬まっしろにさせる。
「イヤ、冷たい!ち、ちょっと、どこ触ってるの・・・?い、いやぁぁ」
触手は4本入ってきたようだ。
仰向けの状態の彼女の胸と背に2本ずつ、探るように下りてくる。
上の2本が彼女の胸を見つけると、それに巻きつくように動き始める。
「イタ、やめ・・・なんなのよ、一体・・!」
その間にも他の触手は下を目指す。
1本はお尻の谷間を進み彼女の菊座へ、もう1本は外に飛び出している右足の付け根を一周回って彼女の秘唇に辿り着く。

 どうやらこの木は獲物を雌と判断したようだ。
ここからは、細いほうの触手の最後の役割を説明しながら続ける。
獲物が雌と知った触手は、どんな生き物だろうがお構いなしに、正確に生殖器を探り当て、そこに押し入っていく。

 「んあっ!痛い!イタイーー!!」
まだ濡れてもいない彼女の膣に触手がドリルのようにねじ込まれていく。

 「あ、ガッ・・・!!・・・ハッ、ハッ、ハア、ヒィイイアアアーーーー!!」
そして催淫効果のある粘液を注ぎ込む。
触手の中には、『おしべ』と『めしべ』のようなものがあり、『おしべ』からは花粉入りの粘液、『めしべ』からはごくごく小さな種子入りの粘液が注ぎ込まれる。
彼女を犯している触手は『めしべ』だった。

 効果はすぐに彼女の体に表れる。
「はぁ、はぁ、はぁ、・・・・・・?何?何で?ハァ、体が・・・、アツい」
そして、雌が完全に発情しきったら、閉じ込めていた葉が開いてゆく。
それは閉じていた蕾が開いてゆく様に・・・

 この『寄生植物』は雌を捕らえて自らの生殖の媒介とする一風変わった植物だ。
捕らえられた雌は開いた葉の上で固定され、主に飛んでやってくる様々な雄に犯される。
仮に花粉入りの膣に入った雄の生殖器が、次に種子入りの膣に入れば、そこで受粉完了である。
受粉を察知した『寄生植物』は、再び葉を閉じて獲物を閉じ込める。
獲物はそこで衰弱死してしまい、それを苗床にして新しい芽が吹くという仕組みである。

この生殖システムが上手く機能するためには、一度に多くの雌の獲物と、またすぐ近くに別の固体が必要となる。
その点から見ても、彼女のほかに獲物がいない点から見ても、その木は不自然だった。
それもそのはずで、この木は領主が管理している処刑道具なのである。
彼は今まで幾度となく罪人をこの木に『与えて』きた。
本来この木は群生した森の中にしか生えない。
昔から、森で女の喘ぎ声を聞いたら注意しろ、と言われている。
この『寄生植物』のついた木の通称は『娼婦の木』。
この木に捕らえられた様々な種の雌たちが喘ぎ悶えて、それに群がる様々な種の雄たち。
そんな様子を表した名である。
彼はこの処刑方が最近のお気に入りだった。

 領主は望遠鏡を通して、兵士たちも目を凝らしてじっと見守る。
大木に淡いブルーの花が一輪咲いている。
彼女の視界は開けて、自分がどういう状況にあるのか察することができた。
眼下に広がる光景、小さく見える領主と兵士たち、両手足に巻きついたテラテラ光った触手、そしてどうしようもなく疼く自分の体。
「はあ、はあ、ああん、ムズ・・・ムズ・・するぅ。はあん、あそこがぁ・・・、たまらないよぉ・・」
彼女の秘唇はぱくぱくと蠢き、どろりとした蜜を溢れさせて下着に濃い染みを作る。
彼女の蜜で流された種子を補うために、今度は下着を取り払って触手が再び彼女の中に侵入する。
今度はスルリと呑み込み、ギュウッツと触手を締め付ける。
「ふああぁぁぁぁ!!イ、クーーーーー!!!」
どぽぉ!!
触手は粘液を出し終えるとさっさと出て行ってしまう。
「イヤぁん、出て行かないでぇ、もっとぉ・・・」
そこまで言って彼女は自分で何を口走ったかに気がついた。
(ああ、もうどうでもいい・・・。この疼きが止まればなんだって・・!)
だが、今の彼女には、この火照った体が全てだった。


 それから10分ほど彼女は放置された。
その間何度か触手による放出があったが、彼女はまったく満たされない。
それどころか催淫効果のある液体である。
彼女の疼きは強くなる一方だった。

やがて彼女の女の匂いに誘われるように一匹の飛竜が舞い降りてくる。
ワイバーンの中でも比較的小型で全長は彼女の2倍ほど、知性も低い種族だ。
ワイバーンは彼女のことが気になるのか、飛びながらしきりに彼女を嗅ぎまわる。
彼女はというと、ワイバーンのモノに釘付けだった。
(ああ、なんて大きい。あれがもし私の中に入ったら・・・。入ったら・・・。アレが、私に・・!)
彼女の熱い視線を浴びて、ワイバーンのそれはどんどん逞しくなっていく。
ワイバーンが彼女に覆いかぶさるように着地すると、がっしりと彼女と葉を掴む。
彼女を乗せた葉は大きくしなったが、折れるということはなかった。
獣の息が顔にかかる。
彼女の目は期待に満ちていた。
ズブゥウ!!
スカートを捲りあげて、ワイバーンのモノが入ってきた。
彼女はその瞬間に絶頂に押し上げられる。
「ガっ!アアアぁぁぁあ!!」
ワイバーンのモノは彼女のそれに対して巨大だったが、それを中程まで呑み込んで、広がりきった彼女の陰裂は快感だけしか脳に送らなかった。
ワイバーンがすっかり押し込んでしまい、心地よく締め付ける彼女の中に気を良くしたのか、まずはゆっくりと抜き差しを始める。
この動きに合わせて彼女も腰を振って答える。
「ああん!ああん!あ、いい、イク、イク、イっちゃうぅーー!」
彼女の絶頂はまだ止まらない。
「ひぃい、ひぃん、んぐぅ、はあ、はああああ!!」
次第に速度を上げて打ち込まれてくるピストンに対して、彼女は腰をしゃくり上げたり、円を描いたりと、とにかく夢中だ。
絶えず送られてくる気が狂わんばかりの快感に、頭がどうにかなりそうだった。
彼女は悦びの表情を浮かべ、涙をながす。
やがてピストンが小さく激しくなってくる。
それにあわせて彼女の絶頂の波も狭く、大きくなっていく。
「あん、あん、あん、あ、んっ、あ、あっ、あ、あ、ああーーー!!」
やがて迎えたこれまでにない絶頂は、彼女の中の何かを壊して、膣はワイバーンのモノをきつく抱きしめる。
ワイバーンのモノは彼女の壷底に当たり、これでもかと押し上げると一気に噴火した。
「あはああぁぁ!出てるぅ!いっぱい出てるよぉ・・!!」
彼女の子宮は一瞬で満たされ、入りきれない分が彼女の秘唇の隙間から勢いよく噴き出してドレスを汚す。
「あぁ、はあ、はあ、はあ、・・はあ、・・・はあ」
やがて小さくなったモノが彼女から抜け落ちると、だらしなく広がりきった裂け目から、ごぽり、と白い塊が流れ出る。

これだけ達したというのに彼女の体の熱はまだ下がらない。
「・・・はぁ、もっと、・・・もっと、・・・まだ・・・こんなんじゃ、足りないの・・・。ねぇ、もっとぉ」
その願いに答えるように、甘い香りに誘われて、今度は3匹の大鷲が彼女の元へとやって来る。
軽くヒトの大きさを超えるような種族だ。
それがワイバーンを警戒してか、彼女の上を旋回している。
ワイバーンは特にそれを気にする風でもなく、邪魔に思ったのか彼女のドレスを引き裂いていた。
雌の匂いがむわっと辺りに立ち昇る。
それが、大鷲の本能に火をつける。
まだまだ元気なワイバーンと、獲物を見つけて盛りきった大鷲たちは、競うように彼女へと群がっていった。
それはまるで1輪の花に群がる蝶のように。
「あぁん、ケンカしちゃいや、・・・焦らないで・・・。みんなで私を気持ちよくしてぇ・・・」
狂った宴はまだまだ終わりそうになかった。


おわり。


-モドル-

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