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SS:霜月


彼は森を彷徨っていた。
そこは常識を持ち合わせた者なら決して足を踏み入れない場所である。
異形のものどもが棲むという魔の森に、彼はある人を探しにたった一人で入ったのだった。
探す相手は彼の初恋の相手…決して手の届くことのない憧れの人…領主の娘だった。

彼はそれなりに腕に覚えがあった。
実際、森に入ってからこの2週間で斬り捨てた魔物は30匹をくだらない。
だがそれらはいずれも小物であり、力ある魔物に遭えば命がないことは彼も分かっていた。
その上あの人がここに居るという証拠もありはしないが、それでも彼は森を歩く。
そうせずにはいられなかったからだ。
他に自らの罪を贖うすべが残されていなかったからだ。


彼は幼い時から父にしごかれ、12の時には早くもいっぱしの剣士になっていた。
村の道場に通えば一年で師範を追い抜き、その才能を見込まれて彼は街の道場へと進んだ。
そこで礼節と剣技を磨いた彼は16の年には武術大会に参加する資格を得た。
その春分の日に行われた御前試合で、彼は初出場で決勝まで勝ち残った。
さすがに優勝は逃したが、最年少ながらも健闘した彼を領主はいたく気に入った。
そして滅多にない事ではあるが、彼はその場で近衛へと取り立てられたのであった。

その時に彼は初めて彼女に出会った。
領主の傍らで穏やかに微笑む彼女はあまりに美しかった。
自分はその儚げなその少女を守る為にこの世に生まれてきたのだと思った。
彼女の傍に居られるなら、他に何も要らないと思った。
その指先に口づけ出来るならその場で死んでもいいとさえ思った。


そしてその2週間後、彼の心は喜びに舞い上がっていた。
その日は春祭りであり、日の入りとともに祭りが始まる。
街では祝い酒がふるまわれ、宵の市には出店が並ぶ。
彼は拝領したばかりの鎧と剣を身に付け、胸を張り堂々とねり歩いた。
その姿はとても寒村の出の子供には見えず、どこかの貴族の子弟と見紛うばかりであった。

だが彼はそんな近衛兵としての厚遇を喜んでいたのではなかった。
警護役として憧れの人の傍に侍ることが出来る事になったからだ。
祭りには数人の侍女を引き連れ、領主の娘もお忍びで出かけるのが恒例のことであった。
そしてその警護役の一人として彼も同行することになったのだった。

彼は流れる人の中に不審な者が居ないか、周囲に目を配りながら歩いていた。
しかし何かにつけ彼の視線は前を歩く彼女の方へと向かう。
薄暗い中でも少年の頬が紅潮しているのは一目瞭然だった。
その姿を見てもう一人の強面の警護役…近衛長が苦笑する。
今は初老に差し掛かった彼にも、そんな若い頃があったということなのだろう。
その時、いきなり後ろから衝撃がきた。

そしてそのまま地面に突っ伏した後に、少年は自分が斬られたことに気が付いた。
思い出したように焼けるような痛みが背中を走る。
視界の端に連れ去られる領主の娘の姿が目に入るが、もう動くことが出来なかった。
叫ぶ周囲の人の声を聞きながら彼は意識を失った。
それは彼の初めての失敗であったが、二度と取り返しがつかない失敗であった。


数日の間、生死の境を彷徨った末に彼の意識が戻った。
そして事件の顛末を聞かされた。
やはり彼女は失われ、今も捜索は続いているが絶望的であるとのことだった。

意外なことに彼を責める者はいなかった。
相手はあの近衛の長でさえ一撃で殺した賊たちある。
この見習い同然の少年が太刀打ちできなかったとして、一体誰が責められるだろう。
だが彼は自分を責めずにはいられなかった…。

ふた月後、彼が動けるようになった頃には捜索は殆んど諦められていた。
ただ一箇所を除いて領地内は探し尽くされていたからだ。
だが賊が出て行ったと思われる西門の遥か先には、その最後の一箇所が控えている。
魔の棲む森として恐れられ、誰も近づかない場所だ。

彼女は今もそこにいる。
理由はないが少年はそう確信した。
そして何かに突き動かされるように彼は森へと入り込んでいった。


それから2週間が経った。
次々に現れる魔物達は当然ながら礼節とは無縁の生き物だ。
後ろから頭上から…ありとあらゆる方向から湧いて出た。
もちろん彼が眠っていようが、用を足していようが関係ない。
むしろそういう隙を狙うように襲ってきた。

その一匹一匹を屠るたびに彼の剣技は荒んでいった。
見せる為の華麗な剣ではなく、生き延びる為の血なまぐさい剣へと変っていった。
戦意を失った魔物でも殺す事にためらいは無くなった。
逆に勝てないと思えば、無様な姿を晒して命からがら逃げだした。
きりなく続く戦いに彼の鎧と剣はへこみや傷でボロボロになった。
だが彼の自尊心の方はもっとボロボロになっていた。
そして気が付けばそんな役にも立たない物は魔物と一緒に斬って捨ててしまっていた。

少年が持ち込んだ食料は既に尽き、5日前から殺した魔物の肉で凌いでいる。
それは彼がヒトに似た魔物の腕を齧りながら歩いている時のことだった。
ふいに周囲の木々がざわざわと揺れ始めた。
そして優しい風が頬を撫でる。
かすかに甘い匂いが彼の鼻をくすぐった。


何故か胸の高鳴りを抑えきれず、少年は後ろを振り向く。
するとそこには探し求めたあの人が立っていた。
清楚で上品な服装、つぶらな瞳、白い肌、桜色の唇、華奢な腕、ふくよかな…
何もかもが全く変わらない、記憶のままのあの人がそこには佇んでいた。

「…お嬢様…」
愕然とする彼に涼しげな声が囁く。
(ありがとう…私を探しに来てくれたのね…)
彼女の唇はほとんど動かないのに、彼には耳元で言われたようにはっきりと聞き取れた。

戸惑う彼の胸に彼女は小鹿のように飛び込んで来る。
そして満面の笑みを浮かべると、まるで大輪の華が咲いたようだった。
その艶やかな髪からは甘い香りが匂いたち、彼の頭はその芳しさに痺れた。


「…よく今までご無事で…」
(大丈夫。ほら、見て…どこもケガなんてしていないわ)
そういうと彼女は着ている服をするりと脱いだ。
一糸まとわぬ、抜けるように白い裸身が露わになる。
彼は見てはいけないと思いつつも目を離すことは適わなかった。

「お…お嬢様…一体何を?」
(言われなくても分かるでしょう?それとも私にそんな事を言わせるつもり?
 あなたが私をみつけたのよ。だから私はあなたのもの…)
両腕で胸と秘所を隠し、恥ずかしげに頬を染める彼女。
その姿は寝ても醒めても追い続けた憧れの人の姿ではなかった。
自分を慰める時に夢見た浅ましい欲望の対象だった。

(お願い…見て…)
彼女は自らの胸を揉みしだき、桜色に染まった乳首をつまんだ。
それはみるみるうちに充血すると、小粒の桜桃のように彼を誘った。
早く食べて欲しいと切なげに震えていた。
(ここも見て…)
白い指先が淡い茂みを掻き分け秘所を晒す。
鮮やかな肉色が目に痛い。
指先で小さな若芽をこねると、しっとりと果汁が滲み出した。

(私が欲しいのでしょう?好きにしていいのよ)
彼女のしなやかな指が服の上からさわさわと彼の股間を刺激する。
そこは既に痛いほど硬くなっていた。
(私もあなたが欲しいの…)
その言葉で理性が砕けた。
気が付けば彼は守るべき少女に襲いかかっていた。


秘所から滴る蜜を舐めると、その甘酸っぱい匂いに頭がクラクラとした。
しかもそれは後から後から泉のように湧いてきた。
一滴たりともこぼすまいと啜り続けるが、息が続かなかった。
喘ぐように顔を上げると、柔らかな胸が彼に押し付けられる。

(ふふっ…そんなに慌てなくてもいいのに)
ふっくらとした乳房をこねると、パン生地のように指に吸い付いた。
その先端には一回り大きくなった乳首がつんと張り出している。
彼は堪らずむしゃぶりつくと音を立てて吸った。

彼の下穿きの中はもう限界にまで膨らんでいた。
布越しに感じるぬくもりを直に感じたい。
彼女の中に入り込み、そのぬめる感触を確かめたい。
たぎる欲望を彼女の中に吐き出したい。
彼の股間は今にも弾けそうだった。

震える指ももどかしく、もたつきながら彼は下穿きを脱ぎ捨てた。
すると勇ましくなったものが、解き放たれてぶるりと起き上がる。
彼は誘われるままに彼女の中に力任せに突き進んだ。
蜜壺はそれをすんなりと受け入れると優しく包み込む。
それでいて抜こうとすると離すまいとしてしがみ付いてきた。
その激しい締め付けに食い千切られるのではと思ったのは一度や二度ではなかった。

彼はもう頭の中が真っ白で何も考えられなかった。
それでも下半身は狂ったリズムを取り続ける。
破壊衝動に駆られ、腰も砕けよと無心に打ちつけた。
一方それを受け止める彼女はまだまだ余裕の表情だった。

(大丈夫。我慢しないでいいわ。中に出していいのよ)
一段と早まる彼の動きに、見透かしたように彼女は囁く。
やがて抑えきれないものが彼の中に膨れ上がり、それが限界を超えた瞬間に弾け飛んだ。
痛みにも似た解放の後、全身が虚脱する…と、同時に罪悪感が込み上げた。


(お疲れさま。次は私の番ね)
落ち込む彼とは裏腹に妙に明るく彼女は囁く。
そしてふくよかな唇がにぃっと笑うと濡れた舌がチロリと舐める。
彼は何かを言おうとしたが、赤い唇が反論を封じた。
そしてヌメヌメと蠢くものが彼の口に侵入した。
それは彼の舌に絡んではその裏側を責め立て、上顎をくすぐった。
息苦しくなって口を開けると彼の舌は吸い出され、彼女の口の中で嬲られた。

その間にも、彼女の左手は彼の鎧の中に忍び込んでいた。
彼の華奢にみえるその身体には、もはや子供らしい丸みは感じられなかった。
むしろ脂肪の薄い肌の下にはしなやかな筋肉がしっかりと備わっているのが感じられた。
細い指先が身体の線をなぞるようにして這い上がると、胸の小さな突起に触れる。
(意外と鍛えているのね。ねぇ、知っている?男の人もここは感じるのよ)
そういうと意地悪な指はその突起を弄んだ。
(どう?気持ちいいでしょう?でもやっぱり一番感じるのはここよね)

指先を動かしながら、その淫らな唇が萎えかけた肉棒を咥えこむ。
くびれた溝に舌を這わせ、先端の穴をこじるように舐めまわす。
彼女はまるで甘い砂糖菓子ででもあるように、たっぷりと唾液をつけて味わっていた。
弛緩した袋も頬張ってはジュルジュルと吸い上げ、手の平でぐにぐにと弄ぶ。
すると既に疲れきったはずのものが見る見るうちにそそり立っていった。

(若い子って早いけど、回復も早いわね)
熱さを確かめるようにそれに頬擦りをすると、彼女はねっとりとした口づけをした。
そして娼婦もかくやという舌の技が、初めて女を知ったばかりの肉棒を翻弄する。
放ったばかりで敏感になっている彼にとって、それは快楽を通り越して苦痛でしかなかった。
彼女が喉の奥で責めたてるのを、何とか耐えようとしたものの、そのかいなく彼は屈した。
透き通るような白い顔に濁った白い体液が飛び散る。
その栗の花の匂いがする樹液を彼女はさも美味そうに舐め取った。


「おかしい。絶対に変だ…」
何度となく彼は頭の隅でそう思うのだが、その思いが長続きすることはなかった。
彼女の発する濃厚な甘い匂いを嗅ぐたびに、跡形もなく溶け消えてしまう。
ただ木々のざわめきだけが耳に残った。


(私を犯して。もっと激しく、もっとイヤらしく…)
四つん這いになった彼女が陰裂を指で拡げ尻をくねらせる。
ぽっかりと開いた卑猥な穴が呼吸をするようにヒクヒクと動いた。
内臓を連想させるその姿に、彼は一瞬おぞましいものを感じた。
しかし気が付くと彼女の後ろから覆いかぶさり、ケダモノのように犯していた。

悦びの涙をたらす恥丘に己自身を突き込み、力の限りに乳房を握り締める。
それは愛撫とは程遠い無様な行為であった。
下半身を剥きだしにして尻を振る度に垂れ下がった陰嚢が揺れる。
その姿はあまりに無防備で間が抜けており、滑稽としかいいようがなかった。
おそらく当の本人は必死なのだろうが、相手は口元に嘲笑を張り付けたままだった。

やがて彼の身体に痙攣が走り、間もなくぐったりと脱力した。
力尽きた陰茎が抜け落ちると、彼はその場に倒れこんだ。
しかし無情にも彼女は更なる奉仕を要求する。
(まだ、足りないわ…もっと…)
目の前で柔らかな毛に縁取られた裂け目が、鳥の雛のように彼に餌をねだっている。
それが目に入ると、彼の股間は別の意思を持つようにむくむくと頭をもたげた。

結局、更にもう3度精を放つまで彼は許されなかった。

疲れきって倒れた彼の目の前に、使い慣れた剣が転がっている。
その柄を握った瞬間、急に彼の頭の中で霧が晴れたように意識がはっきりとした。
(あら、もう少し休んでいらしても大丈夫ですわよ、剣士さま。
 ここなら安全です。無粋な連中なぞ近寄らせはしませんから)
その囁きを無視し、鞘を杖代わりに立ち上がる。
そして剣を抜き放つと少女の喉もとに突きつけた。


(あれだけ激しかったのでもう限界かと思いましたけれど…意外とお元気ですわね)
その刃にも怯える様子もなく彼女は微笑む。
「そんなことはどうでもいい。おまえは誰だ。なぜお嬢様の姿をしている」
彼の怒声に対し、彼女は悪戯が見つかった子供のように小さく舌を見せて応えた。

(…随分ヤボなこと聞くのね…。いいわ、あれだけ楽しませてくれたのだし教えてあげる。
 私は木霊<こだま>。まぁ、森に住む精霊の一種だと思ってくれていいわ。
 そしてこの姿は幻。あなたが今一番欲しい相手の姿をしているはず)

「言えっ!その姿をした人は今どこに居る?」
(さぁ、知らないわ。だってこの姿はあなたの心から写し取っただけだもの。
 私は私の領域の外のことはあまり知らないし、興味もないわ。
 私が興味があるのはあなたみたいに元気な殿方にだけよ)

「そうやって今まで何人の人間を吸い殺した?」
(失礼ね。そこまで搾り取ったりしないわよ。
 私は相手を悦ばせて、お礼にチョッピリ精を分けてもらうだけ。
 あなたは見た目のわりに逞しいし、結構好みだったからついつい無理させたわね。
 でも若いんだから一晩も休めばすぐに回復するでしょう?
 喜ばれることはあっても、恨まれる覚えはないわ)

しばらく彼は押し黙り、そして思い出したようにポツリと呟く。
「…でも…おまえはあの人を穢した。俺の大切なあの人を…」
(違うわ。もし穢したとしたら、それはあなたよ。私はあなたの願いを適えてあげただけ)
「俺は確かにお嬢様をお慕いしている。だがこんなことは決して望んではいない」
(嘘ね。どんなに言葉で取り繕っても自分を騙すことは出来ないわ。その証拠に…)
「黙れっ!」

彼は剣を全力で振り抜いた。
しかし手ごたえはなく、少女の姿は空中に溶け消えた。
代わりに甘い香りが漂ってくると、強烈な眠気が彼を襲った。

(私は強い人が好き。強くて激しくて精力に満ち溢れた男が大好き。
 だからあなたには、もっともっと強くなって欲しいの。
 でもどんなに強い人になっても、苦しくて辛くてどうしようもない時はあるわ。
 そんな時は私の所にまた来てくれれば、どんな悲しいことでもすぐに忘れさせてあげる。
 一時だけの優しい夢で癒してあげる…だから…今はお休みなさいな…)

彼は何かを言おうとしたが、睡魔に負けてそのまま意識を失った。

目を覚ますとそこにはもう誰も居なかった。
頭の中の霧は欠片も残ってはいない。
ぐっすりと眠ったおかげか、この2週間の疲れまでが消え去っていた。
そして今ならば落ち着いて自分を見つめ直すことができた。

彼はしばらくジッと自分の手の平を見つめていたが、不意にはらはらと涙をこぼした。
自分が穢れてしまったと思ったからだ。
『穢れ』もまた人の営みの中では欠くことのできない重要な一部である。
だがそれを受け入れられるほど、彼はまだ大人ではなかった。

そしてなにより彼は気づいてしまったからだ。
『諦めなければどんな望みも叶う』というのは幻想であるということに…。
どこかで現実と妥協しないとならないのだ。
ひとしきり泣いた後、涙を袖で拭うと彼は街への帰途についた。

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あれから10年の歳月が過ぎていた。
彼は全身を筋肉でよろった強靭な戦士に成長していた。
そしてその見栄えはしないが実戦的な剣技には定評があった。
また傭兵としての仕事の合間には、何度となく森に出入りして更に己を磨いた。

森で鍛えられた彼は魔物を狩ることを得意とし、一度など壊滅しかけた村を救ったこともあった。
生き残ったわずか16人の村人を指揮して300匹からの魔物を撃退したのだ。
以来彼は「狩人」の異名で呼ばれ、国中に名を馳せた。
そんな彼が再び「彼女」の前に姿を現した。


(お久しぶりね、見違えたわ。もしかして私を狩りにきたの?『狩人』さん)
「魔物にまで知られているとは光栄だな。
 だが大して害のない小物まで狩って回るほど俺は暇じゃないんでね」
(言うようになったわね。でも私の見立てが間違っていなくて嬉しいわ)

「あれから色々あったからな…ところで何で姿を見せない?」
(だって今のあなたの心には入り込む隙がないのだもの。
 これじゃどんな姿になればいいか分からないわ。
 ご要望があればどんな絶世の美女にでもなってみせるのに…)
「いや別に俺はおまえに誰かになって欲しくてきたわけじゃない。
 俺は本当のおまえが欲しくてここに来たんだ」

ころころと鈴を転がすような笑声が響くと、見たこともない美しい娘が姿を現した。
若葉色の髪からは尖った耳が覗き、そよぐ睫毛の下で枯れ葉色の瞳が潤んでいる。
均整の取れた身体は雪のように白く、膝から下は樹皮へと変じ大地に根を下ろしていた。
人の域を超えた美貌は冷たい印象を放っていたが、ひとたび微笑むと大輪の華が咲いた。
その懐かしい笑顔を少しだけ皮肉に歪めると彼女は囁いた。

(あのか弱くて純真で可愛かった坊やも大人になったのね)
「まぁな…強くてズルくてスケベな大人になっちまったよ。
 そういうワケで10年越しの雪辱戦をお願いできるかい?」
(それは楽しみね。返り討ちにしてあげるわ)

甘い匂いが二人を包んだ。




【 fin 】

 


-モドル-

是非、作家さんの今後の製作意欲のためにも感想や応援を、拍手やBBSなどによろしくお願いします。 m(^о^)m

(拍手される場合作家さんの名前を始めに入れてくださると誰への拍手なのか特定できて尚嬉しいです♪)