本家[蒼見鳥]  >  もう一つの世界  >   SS  > 【辺境の夜(後夜)】


SS:霜月




「それじゃ、子供達と一緒にこの家のまわりにそいつを撒いておいてください」
動けない老人達が、一晩かけて煮詰めた香草の汁を指差して青年が言った。
「こんないい匂いなのに、あいつらを撃退する力があるのかねぇ」
初老の女が首を傾げる。
「鼻のデキが俺達とは違いますからね。
 ただ苦手なことは確かでも、絶対的な力はないんです。
 嫌いな臭いがするから、この家を漁るのが後回しになる程度でしょうね」

「ところで私はどうすればいいのかしら?」
「お前は俺と一緒に来て、羊たちを裏の沼に連れていくのを手伝ってくれ。
 あ、それから…すいませんが家畜達は全部潰すことになりそうなんですが…」
「そりゃ、あたしらは構わないよ。命あっての物種だからね
 ところでお前さんは一体なにをするつもりだね?」
「湖沼竜をおびき寄せて、オークどもにぶつけます。
 普段はおとなしいんですが、竜の眷属だけあって興奮するとかなり危険な生き物なんですよ」


青年は更にいくつか指示をした後、娘と一緒に10頭の羊を連れて沼へと向かった。
そして村からある程度進んだところでやおら剣を抜き放つと、一頭を一太刀で屠った。
驚く娘を他所に、彼は荷物から握りこぶし程の大きさの干した果物を取り出した。
次にそれをナイフで薄く削ぎ取ると、羊の傷口に詰め込む。

「何をしているの?」
「あぁ、湖沼竜を引き寄せる撒き餌を用意している。
 こいつは言ってみりゃ、猫のマタタビみたいなもんだな。
 俺たち人間には媚薬や強壮薬の原料でしかないが、連中が食えば強烈な麻薬として働く。
 なんなら生で一口齧ってみるといい…疲労回復に効くぞ」

そういって青年は新たな乾果を一個、娘に投げ渡した。
「あなたは随分と怪しげな物ばかり持ち歩いているのね」
「それが俺の仕事だからな。
 わざわざ危険な森に入って、ありきたりな物を集める馬鹿は居ないだろ?
 こういう怪しげな物ほど街じゃ高く売れるもんさ。
 儲けはたっぷり…でも危険もたっぷり…」
そう言っておどけながら、いきなり彼は手の中のナイフを背後に投げつけた。


どさりと重たい音を立てて何かが倒れる。
娘が振り向くと、そこには喉にナイフを突き立てたオークが、声も出せずに地面でばたついていた。
するとすぐに木の陰から更にもう2頭現れた。
だが青年が2匹の間を駆け抜けざまに剣を振るうと、2頭は首から血を噴き出しながら絶命した。

「あなた…強いのね…」
「ん?まぁ、慣れているからな。
 こいつらは結構生命力あるし、肉が厚いから腹狙っても致命傷にはなりにくい。
 その代わり動きが直線的だから結構急所狙いやすいんだよ。
 もっともこいつら力だけはあるから、こっちは一撃でも喰らえばそれでお終いだけどな」
青年はそう言いながら、オークの死体にも乾果を詰め込んだ。


青年と娘は点々と撒き餌を置きながら沼までつくと、同じ道を村へと戻った。
そして二人が村長の家に入ると、子供達が全員床に倒れていた。
「え?何?これはどういうこと?」
血相を変える娘に村長の妻が答える。
「大丈夫。その兄さんがくれた薬で眠って貰っただけだよ」
「そういうことだ。これから隠れてる最中に泣き出されたら困るんで、一晩寝ててもらった方が楽だからな」
「しかし兄さん色々知ってるねぇ。このまま薬師としてもやっていけるんじゃないのかい?」
「身体が動かなくなったら考えないでもないですが、当分は今の商売を続けさせて貰いますよ。
 その前にまずは生きて朝日を拝めるかが問題ですけどね」
そういってこの非常時に大笑いする二人に、娘はただ呆れるばかりであった。

村長の家には食料庫を兼ねた地下室があった。
そこはかなり漬物臭かったが、この際は大した問題にはならない。
飲み水その他、必要なものを詰め込んだあと、全員を運び込んだ。
幸いなことに狭いながらも皆が横になれる空間があった。

「それじゃオレが声を掛けるか、外が完全に静まるまでは出てこないでくれよ」
そう言って青年は地下へと続く床板を閉め、その上に絨毯を掛けると鍋に残った香草の汁をあたりにぶちまけた。


そして夜が来た。
村は既に見捨てられてしまった廃村のように、真っ暗で人の気配がなかった。
しかしただ一箇所、村の入り口の近くにある大きな厩舎にだけは、いくつもの角灯が提げられ煌々と照らし出されていた。
突然静けさを破って、厩舎の牛や羊達の暴れ鳴く声が響く。

「おいでなすったか…」
村長の家の屋根の上で横になっていた青年は、身体を起こした。
厩舎からは多少離れているものの、もっとも高いその場所からは村全体が見渡せた。
角灯の灯りのおかげで、続々と集まるオークの群れが見える。
そしてそのオーク群れは、川が流れるように途切れることなく厩舎の中へと吸い込まれていった。

やがて山羊達の声は途切れ、代わりにオーク達の争う声が聞こえだした。
おそらく厩舎の中では獲物の肉をめぐって、奪い合いが起こっているのだろう。
中に入りきれなかったオークたちは、どうやら諦めたのか周囲の家を物色し始めた。
しかし既にめぼしいものはほとんどなく、僅かな戦利品をめぐってそこかしこで喧嘩が起こっていた。

「頃合だな」
青年は立ち上がると、大きな弓をきりりと引き絞り、狙いを定めて夜空に放った。
するとその矢が角灯の一つに当たって砕け落ち、地面に敷き詰められたわら束に火が着いた。
厩舎の周囲にはびっしりとわら束が積み上げてあり、しかも油まで撒いていた為にあっという間に火が回った。
そして厩舎は火の海へと変わった。

当然ながら厩舎の中にひしめいていたオーク達は恐慌状態に陥った。
火を恐れる彼らは我先に戸口へと殺到するが、そのことが却って裏目に出る。
押されて次々と転んだ者が戸口でつかえてしまい、外へ出られなくなってしまったのだ。
本来あった反対側の戸口や窓は昼間の内にしっかりと釘で打ち付けてあり、力の強いオークでも開くことは出来なかった。
結局、厩舎の中にいた百頭を越えるオークは、逃げ出せないまま焼け死んでしまった。

風に漂う肉の焼ける臭いに青年は顔をしかめた。
その臭いが妙に食欲をそそるだけに、青年にはよけい不快だったのだ。
ちょうどその時、沼地へと続く裏道の方でも動きがあった。
湖沼竜が現れたのであった。

愚かにも恐怖に駆られたオーク達は、湖沼竜に手を出してしまった。
それでも普段の湖沼竜であれば、おとなしく引き下がったかもしれない。
だが湖沼竜は撒き餌に仕込まれたものに酔って凶暴になっており、小型とはいえ竜の眷属であるその力には凄まじいものがあった。
巨大な篝火が照らす中、右へ左へ逃げ惑うオーク達を次々に屠っていく。
勿論、中には果敢に竜に向かっていく者もあったが、闇を裂いて飛んでくる矢が喉元に突き立つと、血の泡を噴いて地面に倒れた。
…こうして“狩り”が始まった…。

-----------------------------------------------------

青年が村中から掻き集めた矢を撃ちつくした頃、空もうっすらと白んできた。
盛大に燃え上がっていた厩舎もほとんど燃え尽き、真っ黒な岩のようなオークの死体がごろごろと焼け残っている。
村全体がオークの死体で溢れていた。

青年は愛用の剣を抜くと村の中を調べて回り、まだ息の残っているオークを見つけては手際よくとどめを刺して回った。
そして村の隅に瀕死の湖沼竜が横たわっているのを見つけた。
その身体には何本もの木製の槍が刺さっており、もはや死は時間の問題であった。
「ありがとさん」
青年は例の乾果を取り出すと投げ与えた。
そんな状態にも関わらず、乾果を食べようと首を伸ばす湖沼竜に青年は詫びる。
「お前さんには恨みもないのに、ヒトの勝手な都合でこんな目に合わせて悪りぃな。
 許してくれとは言える立場じゃないが、他に方法が思いつかなかったんだ」
だが恍惚としながら乾果を噛む湖沼竜は、青年の方を見向きもしなかった。
「今、楽にしてやるよ」
剣を振ると、一拍遅れてごとりと重い音が鳴った。


青年が一通り村を見回った後に村長の家に戻ると、娘が駆け寄ってきて青年に抱きついた。
「良かった。無事だったのね」
「おいおい、俺が声掛けるまで出てくるなって言っただろ?」
「静かになったら出てもいいって言ったじゃない。
 …それにしても凄い数のオーク…あなた一人で倒したなんて自分の目で見ても信じられないわ」
恐る恐る扉の外を見ながら、娘は呟いた。

「別に俺ひとりで倒した訳じゃない。
 それにまだ生き残ったのが居るはずだから、外はまだ安全とは言えん。
 死体だってこのままにしておけば、疫病の元になる。
 とにかく人手が必要になるから、明日にでも街へ向かう…」
「え?明日でいいの?」
「俺はこの二日間まともに寝てないんだぞ…もう限界だ…」
「え?あ、ごめんなさい…ってちょっと待って…きゃぁ…」
気が緩んだ為か青年はそのまま娘の上に崩れおちる。
押し倒された娘が重たい身体を押しのけて立ち上がった時には、既に青年は鼾をかいて眠っていた。
その子供のようにあどけない寝顔に軽く口接けをすると、娘は皆を呼びに地下室へと向かった。


丸一日休み、皆を再び地下室に隠した後、青年と娘は街へと向かった。
途中で何度かオークに襲われたが、それは多くても3,4匹の集団であり青年が全て撃退した。
「あなた本当に強いのね。
 あなただったら、みんなを助けだせるんじゃないかしら?」
娘は青年の力を信じ切っているようだったが、青年は自分の実力を正確に把握していた。

「みんなって村から攫われた女たちだろ?そりゃぁ、いくらなんでも無理だ。
 俺たちが生き残れたのだって、事前に罠を準備したのが偶然上手くいっただけのことだぞ。
 どこにあるのかは知らんが、俺一人でのこのこオークの巣に入ろうものならその場で袋叩きだな。
 一刻も早く助けたいのは分からんでもないが…それは軍隊の仕事だ」
「みんな無事ならいいんだけど…」
「多分生きちゃいるだろうが、無事かどうかは何とも言えん。
 連中が女を狙う理由は一つしか考えられないからな」
「…それじゃやっぱり今頃は…」

思い起こされる生々しい記憶に彼女の口は重くなり、結局その後、街に着くまで二人の会話は途切れたままだった。

-----------------------------------------------------

洞窟の中は汗と糞尿、そして愛液の入り混じった淫蕩な匂いが充満していた。
そこかしこで上がる嬌声と悲鳴、激しい息遣いと鼻を鳴らす音…。
闇の中で狂気の宴が繰り広げられていた。
そこには近隣の村々から攫われてきたのであろう娘達が囚われていた。
そしてその娘達に倍する数のオークが彼女達を犯していた。


中にはまだ胸の膨らみきらない少女も居た。
彼女の女陰を貫くのは、かなり身体の大きな一頭であった。
小山のような巨体の下から覗く白く華奢な手足が痛々しい。
オークはうつ伏せになった少女の上にのしかかり、もぞもぞと腰を振っていた。
やがておざなりのように精を放ち、濡れた一物を引き抜くと身体を起こした。
それでも少女はまるで踏み潰された蛙のように四肢を投げ出したまま、ピクリともしない。
昼も夜もない暗闇の中で毎日犯され続けているうちに、彼女の正気は磨り減ってしまったのだった。

腫れ上がった股間をぱっくりと開いて精液を垂れ流す少女を、オークは面白くなさそうに見下ろした。
少女の緩んだ陰唇に指を入れてかき回しても、彼女はされるがままになっている。
オークはどろりとした精液をたっぷりとすくい取ると少女の菊門に塗りたくり、そのまま指を差し込んだ。
すでに弛緩しきった女陰と違い、彼女の菊門は抵抗するようにその太い指を締め付ける。
オークが更に深く指を突き込んで直腸をかき回すと、虚ろな少女の目に苦痛と嫌悪という感情が戻った。
新たな陵辱を受けて少女はもがきだしたが、その痴態はオークを悦ばせるだけでしかなかった。


ここには何十人もの娘が囚われていたが、オークの方が数が多い為に力の弱いものはあぶれてしまう。
そんなオークの集団に輪姦されている娘もいた。
すでに彼女の全身は汗と汚液でぬたついており、股間に至っては膿のような精液で陰毛がべっとりと張り付いていた。
彼女は仰向けになった一頭に下から犯されながら、目前の別のオークに口で奉仕をする。
その長い陽物は喉の更に奥まで入り込んで吐き気を誘ったが、頭を掴んだ両手がそれを許さない。
しかも両手はそれぞれに別のオークのモノを握らされ、抗うこともできなかった。
その手の動きが少しでも遅くなると、まさぐる指が汗と涎にまみれた胸をつねりあげる。
腰の振りが気に入らないとなれば、下にいるオークが赤く染まった尻を叩いた。

しばらくすると右手でこすり続けていたモノが痙攣を始め、臭い汁を彼女の髪にどくどくと振りまいた。
だがようやく一頭が果てたかと思う間もなく、また新しい一頭が入れ代わりに自らの怒張を押し付け、彼女に奉仕を強要してくる。
あぶれたオーク達の欲望を搾り取る為だけの道具と化した娘のつとめは果てしなく続いた。


中にはかなり以前に攫われて、すでに仔を生んでいる娘も居た。
彼女は自ら生んだ仔を育てることを拒んだが、オーク達は当然それを良しとはしない。
後ろから羽交い絞めにして無理やり前傾姿勢にさせられると、痛いほど母乳で張り切った乳房が床に垂れ下がった。
すると二頭の仔オークが四つん這いで近づき、噛み付くように乳を搾り取る。
娘は乳を吸われる快楽とおぞましさに悶えたが、動けば動くだけ掴まれた両腕の痛みがますだけであった。

その時、娘の股間にはもう一頭のオークが張り付き、あたかももう一つの乳首のように肥大した陰核をねぶっていた。
そしてどす黒く変色した陰唇を指で押し開くと、濡れた花弁が内側からはみ出て来た。
オークはぽっかりと開いた穴に指を入れ、そこについて来たおりものの匂いを嗅ぎ、粘りを確かめる。
それでもまだ納得がいかないのか、舌を差し込むと直接内壁を舐め始める。
その雄はそろそろ次の仔を孕ますべきかどうかを迷っていたのだった。
オークは味を確かめながらしばらく悩んでいたが、その股間が膨らみだした所を見ると結果は決まったようだった。


<産めよ、増えよ、地に満ちて地に従えよ>
彼らは神の教えに忠実であった。




【 fin 】


-モドル-

是非、作家さんの今後の製作意欲のためにも感想や応援を、拍手やBBSなどによろしくお願いします。 m(^о^)m

(拍手される場合作家さんの名前を始めに入れてくださると誰への拍手なのか特定できて尚嬉しいです♪)