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SS:霜月






荒れ果てた城砦に人影があった。
長らく放置された城砦はもはや過去の面影はなく、石畳の隙間からはびこる雑草が崩壊を促していた。
そんな不安定な足場を人影は危なげなく歩いていく。
ふと人影が立ち止まると、その足元に干乾びた白い欠片が転がっていた。
「…人骨だな…ここに間違いない…」
分厚い煤色の外套の内側を黒塗りの甲冑で固め、腰には細身の剣を2本下げた騎士がつぶやく。
しかし押し殺した声はすぐに吹き抜ける風に溶けて消えた。

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大きな山脈の麓にあるその村は、ごくありふれたのどかな農村であった。
しかし最近事情が変わった。
始めは一人の若い娘が、山の畑から帰る途中で忽然と姿を消した。
すぐに村人総出で探したが、結局彼女は見つからなかった。
次にまた一月もたたないうちに、結婚間もない新妻が畑から帰って来なかった。
失踪の原因は全く分からず、事故か事件かさえも分からなかった。
しかしそれ以来、昼間であっても誰も一人で村の外へは出なくなった。

それでしばらく収まったと思われた頃、今度は村の中で事件は起こった。
一人で暮らしていた娘が夜中に家から姿を消したのであった。
そして扉が開いたままの彼女の家の前には、ぬかるんだ地面に巨大な猫のような足跡がいくつも残されていた。
近くに獅子か何かが棲みついたのではないかと村人全員が不安がる中で、唯一威勢の良い男がいた。
村一番の力自慢で、まだ若い猟師の男であった。
彼は独りで獅子を退治して見せると豪語して山に向かった。
しかし彼はいつまで経っても帰って来ず、3日後に食い散らされた無残な姿となって見つかった。

すぐに村長は助けを求めて街へ手紙を送ったが、遠く離れた街へは馬でも片道で一週間はかかる。
つまり早くても助けが来るのは2週間後、下手すればそれ以上かかることになる。
ただ待つことしかできない村人は身を寄せ合い、毎日怯えて暮らした。


そこに珍しいことに武者修行中らしき一人の騎士が村に訪れた。
訓練された軍馬に跨り、黒光りする甲冑を身にまとった威風堂々とした騎士であった。
村長はこれ幸いと村中の金を掻き集めると、平身低頭で獅子退治を騎士に頼み込んだ。
雄々しく飾られた兜の面頬を下ろしたままの騎士は、涼やかな声でそれを引き受けた。
おそらく丁度良い腕試しとでも思ったのであろう。
こうしてその騎士は獅子を倒して村を救うことを約束し、山へと向かった。

その山の峰には何十年も前に陥落した城砦が残されていた。
直感的にそこが怪しいと思った騎士は、古い山道を通り城砦へと向かった。
長らく使われず獣道と化した山道は歩き難く、人の足ならかなり苦労したであろうが軍馬の足では半日とかからなかった。

城砦の跡につくやいなや馬を樹につなぐと、騎士は中へと足を踏み入れた。
人がいる気配はなかったものの、何か大きな生き物が棲みついているのは間違いがなかった。
そして騎士は所々に散乱する骨の中に、人のものらしき骨をみつけたのだった。

足元の骨に軽く黙祷を捧げると、騎士は更に奥へと進んだ。
城砦の天井はとうの昔に崩れ落ちて空が覗いていたが、まだ形の残った石壁が視界を遮っている。
所々で崩れている為に迷宮と化した入り組んだ通路を、騎士は周囲の気配を探りながら慎重に進んだ。
かなり奥深くまで進んだところで、騎士は背筋に冷たいものを感じて立ち止まる。
甲冑を軋ませながらゆっくりと振り返ると、背後の石壁の影から巨大な生き物が姿を現した。

足音もなく近づいてきたその身体は牛ほどの大きさがあったが、確かに獅子のものであった。
ただしその背中には蝙蝠の羽が翻り、尻には蠍の尾が高々と揺れている。
そして皺深い老人の顔が騎士の姿を見つけるとニタリと笑った。
「人の子よ、我が城へようこそ」
「…マン…ティコア…」
その異形を前に、面頬の奥で響く声はわずかに震えていた。


マンティコア…人を喰らうもの…。
人に劣らぬ知性と人を超える寿命を誇り、人を遥かに凌駕する肉体を持つ存在。
人にとっては天敵とも言うべき絶対の捕食者だ。
非常に珍しい魔物であり、実物を見たという者の話は聞いた事もない。
むしろ、実物を見て生き延びたものがほとんどいない、と言うべきかも知れなかった。
だがここまで特徴的な姿では見間違いようがないだろう。

騎士は魔物に甲高い上擦った声で問いただす。
「攫った娘はどうした?」
「ん?あぁ、あの娘どもか…どれも儂好みのいい娘であったな。
 少々爪で撫でてやるだけで可愛い声で泣きよるし、慰み物としては申し分なかったぞ。
 ただ悲しいかな、人間はあまりに脆すぎる。
 まぁ味は中々の物であったがな」

その言葉に騎士の肩がびくんと震えた。
「…娘達を…喰ったのか!」
「何を驚くことがある?今しがた儂をマンティコアと呼んだはおぬしであろうに…」
魔物が嘲笑った。


やおら2本の細剣を抜き放つと騎士が叫んだ。
「人食いの化け物め。引導を渡してやるから覚悟しろ」
だが、刃を目にしたマンティコアの笑みは揺らぎもしない。
騎士は目にも止まらぬ速さで、矢継ぎ早に斬撃を繰り出すが、鋼のように硬い蠍の尾が悉く弾く。
そして太さが人の胴ほどもあろうかという魔物の前肢が打ち振られると、騎士は石壁に叩き付けられた。

「まさか、この程度で終わりではあるまいな?」
魔物の挑発に、騎士はよろめきながら立ち上がり、胸を押さえるような動作をみせた。
そして騎士の手が素早く懐から抜き出されると、一枚の呪符が宙を走る。
村長の約束した報酬の倍以上の値段がする高価な呪符であったが、騎士は惜しげもなくその切り札を切った。
純白の呪符は魔物に触れた瞬間に燃え上がり、不可視の網を広げてその動きを封じた。

思うように動けなくなった魔物は軽く顔をしかめると、ぶつぶつと呟いてから身体を震わせた。
すると纏わりついていた呪力は散り散りになって消え去った。
尋常ならざるその腕力だけでも十分脅威だというのに、なんとこの魔物は呪言までも操るのであった。
「くそっ」
あっけなく切り札を失った騎士は一目散に逃げ出した。

入り組んだ城砦を走りながらも、騎士は考えていた。
相手が悪すぎてとても自分だけでどうにかなるものではない。
恥を忍んでここは一旦村に戻るしかない。
とにかく原因がマンティコアであることだけでも伝えねば、更に犠牲者が増えてしまうだろう…と。


急ぐあまりに何度も道に迷いそうになりながら、騎士は何とか城砦を抜け出した。
これ以上走る体力は残ってないが、無事に馬の元へと辿り着ければその俊足にまかせて逃げ延びられる。
騎士はそう期待して馬を繋いであった場所に戻るが、その期待は裏切られた。
今まで長旅を共にしてきた愛馬が、血の海の中に横たわっている。
大きく切り裂かれた馬の腹に顔をうずめているのは、あのマンティコアだった。
魔物が騎士の先回りできたのも当然の事であった。
まるで迷宮のようなこの城砦も、翼を持つものにとっては何の障害にもならないからであった。

魔物は漆黒の皮翼をゆったりと動かし、蠍の尾を鞭のようにうねらせながら、湯気をたてるはらわたを喰いちぎっている。
だが恐ろしいことに馬はまだ生きていた。
恐怖に目を見開きふいごのように喘ぎながら、傷口からは噴水のように鮮血を撒き散らしている。
それでいて何故か何も抵抗することもできずに、生きながら喰われているのだった。

騎士はその姿を目にして、絶望に打ちのめされた。
胆汁のように苦い焦燥と冷たい怖れが胃をチリチリと刺激する。
騎士は萎えた脚を引きずりながら静かに離れ、再び背中を向けて逃げ出した。
かなり離れて何とか逃げのびたかと息をついた瞬間、騎士は急につんのめると地面に倒れた。
ちょうどあの呪符とそっくりの呪言が、騎士の身体を縛っていたのだった。

不自然な程優しい声が背中から掛かる。
「…ふむ、こんな小技でも使い道があるものだな…。
先程は気づかなんで失礼したの。
あまりに遅いので先に午餐を頂かせて貰っておったものでな。
ところで何処へ行こうというのかね?
 折角の客人をもてなしもせずに帰すとあっては、儂の面目が立たぬ」

黒い甲冑の背中に巨大な前足が乗せられた。
小亀を捕まえた猫のように、鋭い爪がカリカリと甲冑を引っかく。
「それにしてもおぬしは旨そうな匂いをたてておるのう」
舌なめずりする魔物が、兜に向かって囁いた。


甲冑の留め金に掛かった丈夫な革紐を爪が次々と断ち切っていく。
魔物は全ての留め具を断ち切ると、海老の殻でも剥くようにつるりと中身を取り出した。
動きの邪魔にならない柔らかな肌着だけを身につけた騎士が、手荒に地面に投げ出される。
しかしその身体は未だに呪力に縛られ、自力では動くことが出来なかった。

細めながらもしっかりとした腕、余分な脂肪のない引き締まった腹、すらりと伸びた筋肉質の脚。
戦う者としての修練を長年続けてきた証である。
ただ意外にもその胸には、こんもりと肌着を押し上げて柔らかな乳房が揺れていた。
彼女は都でも数えるばかりの女騎士であったのだった。

甲冑が外された途端に、中にこもった汗の匂いが周囲に広がる。
飾りの折れた兜も脱がされると、濡れた頬に張り付いた髪が妙に艶かしかった。
「ほほう、匂いだけではなく、顔の方も中々そそるものがある。
 味の方はどんな塩梅かの」

血に塗れた口が近づき喉元から鎖骨を舐め上げ、脇の下を這い回る。
そして手入れのされてない縮れた毛を絡めとると、さも美味そうにしゃぶった。
口に広がる甘酸っぱい汗に、魔物は感極まったように歯を剥きだして笑う。
「良いのう。
 白粉や香水臭くない、雌本来の匂いぞ。
 これならば下の方も期待出来ようというもの」

黒光りする蠍の尾が器用にも彼女の下穿きを引きおろす。
丸太のような前肢が彼女の両足を大きく開くと、もはや秘裂を隠すものはない。
蒸れた赤貝の端には、真っ赤な真珠がてらてらと輝いていた。
老人の顔が小鼻を広げて匂いを嗅ぎ回りながら、口の傍から涎を垂らす。
「後の楽しみにとっておこうと思うておったが、これは辛抱できんな。
 今ここで喰ろうてやろう」


ぞりぞりと舌で股間を嬲られると女の顔が嫌悪に歪む。
しかし歯噛みをして耐えながらも、女の右手はそろりそろりと横へと伸びた。
既に彼女に掛けられた呪縛は緩んでおり、そのことを気づかれないように細剣を拾おうと苦心していたのだった。
そしてようやく彼女の指先が剣に届いた。

女は剣を逆手に握ると、己の股間を弄る無防備な頭に力の限りに振り下ろした。
しかしマンティコアは見上げもしないで、刃を爪で受け止めた。
「ほほう、中々やりおる…おかげで爪の先が少々欠けてしまったわ。
 それにしても呪が切れるのが思ったより早いのう。
 それなりの修練でも積んでおったのかな?」

魔物は苦もなく彼女押さえ込み、蠍の尾を翻すとその両腕両足の付け根を刺した。
刺された箇所からは冷たい痺れが広がり、全く動かすことができなくなる。
「その気になれば象でも一刺しで殺せるが、加減をすればこのようなことも出来る。
 そして今ひとつ面白い使い方を見せてくれよう」

再び蠍の尾が動き、女の肌着越しに乳首を刺し、続けて剥き出しの陰核を刺した。
毒針が余りに鋭利な為に痛みはほとんどなかったが、すぐに刺された所から熱い痒みが拡がっていく。
「この程度なら痺れはあるまい。
 むしろ敏感になって、痒うて痒うて堪らなくなろうな」

言ってる傍から千匹の蚊にでも刺されたような、猛烈な痒みが彼女を襲った。
掻こうにも痺れた腕は全く動かず、ただ身悶えることしか出来ない。
微笑む魔物が、猫のようにざらつく舌で赤く腫れた陰核を削るように舐めまわす。
女の最も敏感な部分に激痛が走るが、その痛みを受けている間だけ彼女は痒みを忘れることができるのだった。


「…止めろ、化け物!」
「止めて欲しいのかね?」
「当たり前だっ!」
「ふむ…では止めてやろうかの」
マンティコアがにまりと笑った。

陵辱が止まった途端に再び耐え難い痒みが女の股間を襲い、悶える彼女の痴態をマンティコアは嘲笑う。
「どうじゃ、これで良いかね?
 これから益々痒みは増して、しまいには気が狂うほどにもなろう。
 いや、実際今まで何人か狂わせてしもうたこともある。
 優しい儂がせっかく楽にしてやろうというておるに、止めろ、とはな…。
 じゃが本当は続けて欲しいんじゃないのかね?」
「………」
女は強く唇を噛み締めた。

女の沈黙を肯定と解釈した魔物は、女の股間を目一杯まで開くと肉壷に舌を差し込んで蜜を促した。
そして桃色に潤んだ小陰唇が引き出されると、黄ばんだ牙がぎりぎりと噛み締めた。
滲み出る蜜を存分に堪能した後、女の股間を弄っていたマンティコアが顔を上げる。
「さてと、そろそろおぬしばかりではなく儂も楽しませて貰おうかの。
 おぬしはまだまだ痒うて堪らんのであろうが、楽にして欲しくば先にこれを舐めて貰おうか」

魔物は女の顔を跨ぐと、その股間に膨れ上がったものを自慢気に揺らした。
彼女の腕ほどの長さがあり、その全体に無数の棘を生やした肉棒。
その赤黒い血管を浮き立たせた欲望の塊が、生臭い臭いと共に彼女の鼻に押し付けられる。
だが触れるもの全てを傷つけずにいられない雰囲気を放つその肉棒は、どう見ても拷問道具にしか見えなかった。

「ほれ、早く儂の魔羅を舐めるが良い。
 うまく出来たらおぬしの女陰に突き込んで、痒い所をがりがりと掻いてやろうぞ」
確かにこんなモノを突き込まれれば、痛いどころでは済まないだろう。
しかし蠢く痒みは既に彼女の陰部と乳房全体に回っていた。
熱くなって腫れ上がり、まるで皮膚の下を無数の線虫が這い回っているようだった。
留まる事のない痒みが彼女の理性をちりちりと崩していく。

ついに痒みに負けた彼女はちろりと肉棒を舐めたが、魔物は納得しなかった。
「そんなことでは、到底これを入れてやることはできんな。
 これが欲しくば、もっとしっかり舐めて貰おうかの」
女の鼻先に荒々しい剛直が息づき、その根元には鞠のような陰嚢が揺れた。


硬い鋼ほど、亀裂が入れば脆い。
どれほど堅固な意志を持つ者であろうと…いやむしろそういう者ほど一度崩れ始めると堕ちる所まで堕ちる。
はじめはおずおずとした女の舌使いは段々と大胆になり、やがては限界まで口を開けて肉棒を咥えた。

魔物がゆっくりと腰を動かすと、肉の棘が口の中を傷つける。
溢れる獣臭が口から鼻へと抜け、そのあまりの強烈さに脳が揺さぶられた。
「どうじゃ、我が魔羅は美味かろう?
 おぬしはこれを下の口で味わいたいのじゃな?」

女は目に涙を浮かべて押し黙っていたが、やがて諦めたように頷いた。
「良し良し、そこまで頼まれては仕方なかろう。
 存分に味わうがいいぞ」
魔物は女の口から一物を抜き取ると、そのまま赤く腫れた女陰に突き刺した。

ぎちぎちと肉を割り裂いて、彼女の中に凶器が埋まった。
そして抜き出そうとすると、無数に生えた逆棘が彼女の敏感になった粘膜を掻き毟る。
食いしばられた口から漏れる嗚咽に満面の笑みを浮かべると、マンティコアはますます勢いづいて腰を叩きつけた。
牛のような巨体に押し潰され、股関節が脱臼しそうなほど激しく責め立てられるが、鍛えられた彼女の身体はその拷問に耐えた。

いっそ気絶してしまえれば楽であったかも知れない。
だがこれまで同僚の男達に遅れをとるまいと、人一倍積んだ修練がここで裏目に出た。
身体の自由を奪われ、どんな陵辱を受けようと、彼女の意識は鮮明なままであった。
魔物の肉棒が動けば激痛が走るが、止まれば止まったで痒みがぶり返す。
涙と鼻水、そして涎でぐちゃぐちゃになった顔を激しく振りたくりながら、彼女は絶叫し続けた。


一体どれだけ叫んだのだろうか。
戦う者としての力を奪われ、自尊心という鎧を剥がされると、後に残ったのは無力な裸の女でしかない。
圧倒的な力の前には為すすべもなく、ただ怯えて泣き叫ぶことしかできなかった。
しかしどんなに叫ぼうと助けは来ず、魔物が許してくれるはずもない。

マンティコアに捕まった以上は死ぬまで弄ばれることになるだろう。
もっとも魔物の餌食に残された一生は、あと僅かであるに違いない。
絶望的な現実から逃げ出したいと思う彼女を一体誰が責めることをできるだろうか。
苦痛と屈辱、そして死の恐怖の中で、理性という最後の砦が音を立てて崩れていった。

そして甘美な痛みが、残酷な悦びの園へと彼女を誘う。


「…いったかの…?」
痙攣する膣を楽しみながら魔物が呟く。
その時、彼女の胸を覆う薄い肌着に染みが広がった。
濡れた布が素肌に張り付き、充血した乳首が透けてみえる。
蠍の尾が肌着をまくりあげると、腫れ上がった乳房の上で硬くなった乳首がぷるりと震えた。
小指の先のような先端は、白い雫を滲ませるとふくよかな匂いで陵辱を誘った。

「こちらも良い感じに熟れてきたようだの。
 まだ毒を刺したばかりではこの程度じゃが、2、3日も経てば雌牛のように乳を出そう。
 儂は甘いものが好物じゃが、特にこの繊細な甘さには目がなくてのう。」
魔物は皺だらけの口をすぼめて乳首を啜りこむと、ちゅぱちゅぱと音を立てながら嬉しそうに目を細める。
白い涙を零す乳房を執拗に嬲るその舌使いは、好色な老人そのものであった。

「ふむ、ここでおぬしを喰ってしまうのはたやすいが、それはあまりにもったいない。
 おぬしなら壊れることなく、長く儂を楽しませてくれそうだしの。
 何なら久方振りに子を孕ませるのも良かろうな」
にやけた笑みを浮かべ、魔物は呟く。

「決めたぞ。
 おぬしほど丈夫な娘なら、さぞや元気な子を産んでくれよう。
 …先ずはその手始めに、耕した畑には種を播かんとならぬな」

魔物は律動を再開し、脱力した女の身体ががくがくと揺さぶられた。
巨大な陽根が突き込まれる度に、女の下腹が破れるのではないかと思える度に膨れ上がる。
逆に抜き出される時には肉棒の逆棘がひっかっかり、内臓ごと引き摺り出されそうになる。
もはや力尽きた女は叫びはしないが、代わりに地に響く魔物の唸り声が段々と大きくなっていった。
そして爆音のような雄叫びがあがると、彼女の腹の中を熱い精液が叩いた。


魔物が彼女の耳を舐めながら囁く。
「どうじゃ、ひとまず痒みは収まったかの?
 まぁすぐにぶり返すことになるが安心せい。
 その時にはまた儂の一物でおぬしのはらわたを掻き回し、乳を搾り取ってやろう。
 そしてこれからおぬしが子を孕むまで、…いや孕んだとしても毎日毎晩犯して子種を注いでくれようぞ。
 どうじゃ、嬉しかろう?」

「………」
「返事はどうした?」
「………はい…」
「それでよい、それでよい…。
 ならば今宵は特別に朝まで可愛がってやろうかの。
 存分に楽しむが良いぞ」

魔物は大口を開けて笑いながら、挿し込まれたままだった凶器で再び女を嬲り始めた。
陵辱を受けた女の腹は、既に魔物の精液で膨れ上がっている。
注挿される度に押し出された汚液が、ぶちゅぶちゅと音を立てて飛び散り、白い飛沫が周囲を汚した。
しかし女の頬を伝う透明な涙は、地面に吸われて跡も残りはしなかった。

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村長からの手紙に対し街の返事は梨の礫であり、助けに来る者はだれも居なかった。
そして山の城砦の跡へと向かった騎士も結局は帰って来なかった。
村人はみな恐れおののく毎日を過ごしていたが、いつまでも畑を放っておくわけにもいかない。
再び恐る恐る村の外へ出るようになったが、幸いその後の被害は一度もなかった。
やがて村人達はあの黒甲冑の騎士が、獅子と相討ちになったのではないかと噂をし始めた。
しかし真相を確かめるべく廃れた城砦へと向かう勇気のある者は一人もいなかった。

 




【 fin 】


-モドル-

是非、作家さんの今後の製作意欲のためにも感想や応援を、拍手やBBSなどによろしくお願いします。 m(^о^)m

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