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SS:夜具

 波打つように影が通路の壁を這う。
規則無く風化した荒い石が通路一面に敷き詰められている。
灯火を浴びた石は照らされ、その先の暗闇に吸い込まれてゆく。まるで生き物の臓物と錯誤を犯すのではないかと思われる様相を呈しながら。

表面が擦り切れた厚手の布のリュック。中に様々な物が乱雑に入っているためか、歩くたびにリュックの表情が変わる。その顔の上には綺麗に丸めた寝袋が紐で荒く括り付けられていた。そのまま仰向けに倒れてしまえばちょうどいい枕になるだろう。

リュックの上、寝袋の下に小さな小瓶が吊るされていた。
このビンが、かつて廃坑や石切り場とよばれ、今は洞穴と化すほどに風化した闇を照らすモノだった。中には数回分程度の食事に使う程度の僅かな塩のような粉が入っていた。
塩との違いは2つ。小瓶の中で粉雪のように優しく、小さな世界で舞っていること。そして月明かりのように淡く照らすこと。

妖精の粉と呼ばれる非常に貴重な粉に照らされ、淡くだがその小さな躯体が伺える。
淡い僅かな光に照らされ伺える髪は栗色。髪をツインテールにまとめ、汚れた藍色のシルクリボンがこの退屈な彩りの中にあって妙に映える。

「う〜ん、お宝とは言わないから、せめて貴重な鉱石ちゃんでておいで〜♪」
ドワーフの少女は性根が明るいのか、それとも自分に勇気を与えるためか、聞いてくれる誰でもない自分のために希望の吐息を口にする。

・・・

少女はドワーフの集落で生まれた。
彼らドワーフには生まれ持った才能があった。
鍛冶の神、大地の女神、道具の精の寵愛に包まれていた。
同世代の隣人が、鍛冶の才を開花させ、ある者は大地の奇跡に導かれ、また新たなものを創造する者達の中にあって、彼女にはなにもなかった。周囲からもその空気は感じ取れた。

しかし、彼女は人一倍負けん気が強かった。それが恩寵の証であるとさえ思うほどに。

彼女は集落を背に歩き出した。逃げたのではない。帰ることを確信し、振り向かなかっただけなのだ。

彼女は各地を転々とした。そして今、まさに天賦の才とも言える方向感覚の無さがアタリを引き当てた。それは地図にも噂にも無い古い炭鉱、もしくは石切り場だった。
彼女は森を数日彷徨った疲労も忘れ、女神が微笑んだと喜びを噛み締めた。
そしてポケットから取り出したお守り代わりの妖精の粉の入った小瓶をリュックに括りつけて、迷うことなく漆黒の闇へ足を踏み入れた。


彼女はドワーフの中でも特に容姿に恵まれていた。周りの者達もこればかりは神の恩寵だと信じざるを得なかった。快活な性格の本人でさえ、もし恩寵が分配法則なら、容姿に恩寵を使い切ってしまったのでは無いかと真剣に悩んだほどだ。

身に纏っている紺のジャケットで隠れる肩は、名のある弓が撓るときに魅せる妖艶な曲線を描いている。そして薄布で輪郭がくっきり浮かぶ二つの膨らみは、柔らかい最高級の綿が詰まったクッションのように柔らかくボリューム感を有し、頂には鮮やかな桃色のボタンが乗っていた。黒いスパッツの上から伺える淫らで弾力ある裂け目は、集落の同世代ばかりか大人達ですら妄想の中で何度その合さりを開き犯したことか。


最後に光を浴びてから小一時間は経過しただろうか、未だ風化して凹凸が激しい不揃いな石を見続けている。こう真っ暗で環境に変化が無いと、自分の中にある時間の物差しは役に立たないことを彼女も理解していた。
引き返すという言葉がアタマを掠めた時、彼女の前に小さな影が現れた。
否、現れたという表現は語弊がある。そこで待っていたのだ、彼女が来るのを。
始めは大きい蝙蝠かと思ったが、光る小瓶で照らしてみると、婦女子が飛びつかんばかりの愛らしい眼をした小さな竜のシルエットが浮かび上がった。

例に漏れずドワーフの少女も抱きつきたい衝動に駆られたが、ふと悪寒が走りその手を止めた。
動きを止めた彼女の判断は半分正解であり、半分間違いであった。
竜が少女を見つめながら口を開け、キュッと可愛い声を鳴らす。
彼女は青ざめた。小さな竜の舌には精器が付いており、尿道部分が拳大にまで広がったのだ!

彼女が動くより速く竜は少女に飛びつき、舌を胸と布の間に潜り込ませて器用に布をたくし上げた。
至高のクッションは次の瞬間、竜の舌精器に犯されていた。
桃色のボタンは広がる尿道に吸い込まれ、舌精器の内肉で激しい刺激に晒された。
あまりの光景とその刺激に、彼女の腰は身体を支えられなくなり、膝を折り、仰向けに崩れ落ちた。荷物の寝袋が頭を床の衝撃から守ったが、彼女は今それどころではなかった。

彼女はしごく冷静に、この小竜の姿をしたモンスターを頭の中に叩き込んだ生物辞書で検索にかけた。
そして、恐怖した。

・・・

種名 インシュドラゴン [淫首竜]
食肉目・首竜科・淫首属
特徴:
舌に精器を持つ首竜科の突然変異の亜種。雄性のみ存在が確認されており、精器の形状を持つ舌は最大で平均的な成人男性の腕ほどの大きさになる。食事方法と生殖が非常に特殊である。まず人間の雌を見つけると、キュッというコルクをすり合わせたような高い音を発する。この音は周りの同属に雌は自分のものであることを知らせるものと考えられる。その後に麻痺性のある液を対象に塗りつけ、身動きが取れなくなったところで子宮まで、膣へと首ごと突き入れる。最後に、只管暴れ子宮へ直接射精を行うが、特殊な内臓器の「精液貯め」から桶一杯分以上の粘り気の強い子種を放出する。。。

・・・

もっと長く記述されていたのだが、卑しい水音が耳を打つため急いで意識を引き戻す。

「ジュリュルッルルッ!」
先程までの愛らしい玩具のような嘴が開かれると、その中からとてつもなく巨大なカリ首をもつ男性器としか言い方が見つからない卑しい舌が彼女の柔らかく透き通った腿に擦り寄っていた。

「ドクンドクンドクンドクン・・・」
自分の張り裂けんばかりの激しい鼓動が、さらに自分が異常な状態にあることを知らせて更に鼓動が加速する。

村を出てから危険はいくつも経験した。しかし彼女は自身に戦の才は無いことを自覚していた。そして小柄な体を逆手取り、文字通り「掻い潜って」きたのだ。そう、相手を傷つける意味での戦いの経験は皆無。そんなトレジャーハンターが今、小型とはいえ竜の亜種に、誰にも触られたことの無い太ももを嘗め回されているのである。唯一の武器である思考は完全に鼓動に押し流されていた。

舌が舐めた後には燃えるような熱い感覚が尾を引いた。取り乱した彼女には自分の鼓動が恐怖だけではない事に気付くことは無かった。
スパッツ越しからでも、花弁から蜜が雄を誘っている。異常なほど濡れていた。それを竜の本能が見逃すはずなど無かった。

(逃げなきゃ!)
本能に近い思考がようやく彼女を逃避という行動に駆り立てた。

しかし、竜は最後の抵抗で立ち上がろうとした彼女に飛び掛り、押し倒した。
床にしりもちをついた彼女は、恐るべき光景に自分の目を疑った。

「ジュボッ!ビュビュウッ!」
竜の頭が盛り上がり、凹凸の突起物が見る見るうちに出来上がった。まるで火山の噴火のように汁を撒き散らしながら自分の頭部を濡らしている。誰もが次に起こる事が理解できるだろう。
彼女はその未来を否定するために、必死に手を伸ばして首を押し戻そうとした。が、その鱗を濡らす粘液が止めようとする指を後ろへと滑らせる。

「嫌ぁ〜〜〜〜!」
「グググッググッ」
黒い割れ目に無邪気な子供の頭が入らんと更に圧力をかける。
段々ワレメの肉の盛り上がりが水面の波紋のように広がる。

「あぐぅ、ダメ!ヤメテヤメテヤメテ!」

身体を折り曲げ、これ以上無理だと、滑る手で必死に挿入を止めようとするが、竜は伸びきったスパッツが邪魔だと感じると、先端が硬くなった舌を一気にスパッツに突き立てた。
「ビリッ!!ジュボジュボジュボッ!」
「んぅっ!!!? あ゛っあ゛っあ゛ぁ」

杭と化した舌が濡れきった蜜壷に抵抗無く打ち付けられる。
彼女は驚きの声を上げると、その巨大な異物のために内臓が圧迫されるような感覚に襲われた。そして打ち上げられた魚の如く口をパクパクと動かした。
必死に酸素を欲しながら、ただ何も無い真っ暗な壁の空を仰いだ。

「あ゛あ゛あ゛っ!ぃく゛っ、ぃっち゛ぁぅ〜あぁ!」

彼女がまた呻いた。
いよいよ邪魔なスパッツに大きな点を穿つことに成功した竜は、遂に全てを入れようと、頭部の突起物から粘液を噴出しながら綺麗な唇のような花弁へと静かに進入していった。。。

・・・

足の付け根の間に風船を入れられたような滑稽な姿の彼女。
四肢は何十回目か分からない痙攣を再度繰り返しながら、彼女の意識を現実に引き戻した。

彼女は開ききった唇を閉じずに、ただ力なく快楽を与えてくれる瘤を見つめた。
瘤が徐々に震えだし、段々膨らんでくるのが視覚と触覚で理解できた。
ふと今までにない、子宮の入り口に舌が強く触れる感覚が伝わった。
それは時間と共に、より強く感じられた。
(まさか・・・)

彼女は自分の予想を確信し、ソレに恐怖ではなく悦びとして感じてしまった自分に改めて雌として神の寵愛を受けた特別な存在であることに気付いた。そして嬉々として欲愛に身を委ねた。

「私はみんなと少し違っただけで、神にこんなにも愛されていたのね。」

彼女は体の力を抜き、開くことなど有り得ない子宮へと舌を迎え入れた。
竜は器用に舌を尖らせ、錐のように点を穿つ。そしてチューブに空気を入れるようにして極太の性器を見事に子宮へと挿入した。
子宮に到達した舌は遂にあるべき場所へ到達した喜びを有りっ丈の白い液体で表現した。
「ギュッ――ブリュッ!」

お腹の虫にしては鳴き声が大きい卑猥な音が狭い通路の中で反響する。
勢いは止まることを知らず、脈打つ首の分だけ彼女の柔らかな肉と磨かれたガラスのように美しい肌合が膨らみ、母親になった証のように丸みを帯びてゆく。
入り口から羊水になることのできなくなったものが止め処なく溢れ出ているが、それでも竜の首は脈打つことを止める気配はない。

恍惚とした表情を浮かべながら優しくお腹に手の平を乗せて、心の中で呟いた。
(嗚呼、私の神さまはここにいたんだね・・・)

そして彼女は自分の居場所を見つけ、旅は終わりを告げた。

 

【 fin 】


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